おしゃれはアートです。

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おしゃれについて書きます。

興味のあることにかける時間と情熱が、センスを育てます。

興味があるというのは、もちろん最初からとても好きだったからという場合もあるし、その逆で苦手を克服しようと時間と情熱をかけるものもあります。

私のおしゃれのセンスは、コンプレックスからはじまりました。

子どものころの私は、可愛らしい女のコではありませんでした。目や口が大きくて、個性的な顔立ち。からだは棒みたいで色黒。

仕事をする母親はつねに忙しく、娘の私に手をかける時間はありません。髪はいつもこれ以上切れないっていうくらい短く前髪はななめ。母による適当で大雑把な散髪でした。

思春期になっても棒のようなからだのままだった私は、まわりのピンクが似合う可愛らしい女子たちと比べられるのがいやでした。だって圧倒的に勝ち目がないのですから。

比べられないくらい違っていようって思ったのが、おしゃれすることに情熱をもったきっかけでした。かわいい方向では勝てない。10代の女子にとっては、どれくらい男子に人気があるかどうかが勝敗をわけます。ライバルは同級生の女子。

私の目指した方向は、大人っぽくてかっこいいこと。目立ち過ぎずシックなこと、人とちょっとだけ違っていること。

そしてお金をかけないことです。少ない予算と少ない服で、なん通りにも見えることを真剣に考えました。その結果、組み合わせられるアイテム選び、アクセサリーやメガネなどの小物をきかせる、流行りすぎているものは見送る、など私なりのルールができました。

ファッション誌の真似をしたり、センスがいいスタイリストさんの本を参考にししました。自分なりに工夫して、たくさん失敗もして、無駄づかいもして、 おしゃれに 時間と情熱をかけてきました。

本当のことをいうと、私はひとりだったら、着心地のいい服 デニムとシャツで毎日同じものを着ていてまったく問題ないのです。定番があれば悩まずに楽ですし、気に入っていればあきません。

私がおしゃれをするときは、必ず対象がいます。自分以外の誰かがイメージされています。今日会う約束をしている人かもしれませんし。あるいはたまたま同じ電車に乗り合わせた人かもしれません。

それが誰であっても、私に会うことで、私を見かけることで、喜んでもらえたらいいなって思っています。人はきれいなもの、素敵なものが好きです。会った人、見かけた人が素敵だなって思えたら気分がいいです。少なくとも私はそうです。今日出会った人が、たまたま電車で隣の席に座った人であっても、おしゃれだな素敵だなって思えたら、その日は一日ハッピーです。

人は見ているものから影響を受けます。街並みや景色、光や色や形やあらゆる視覚情報が心にも働きかけます。私が思うおしゃれとは、自分らしさを表現するものでもあり、街並みや景色の一部です。美しい景観にしたいのなら、まずは自分がおしゃれをするところから。

もう一つ、これは私の喜びのひとつ。いい意味で人を驚かせたいのです。驚きっていうのは刺激です。いい意味でというのは、驚いたことによってなにか流れが変わるような、固まっていたものがゆるむような。とても深刻だったけど、ぷっと笑ったらまあいいかって思えっるみたいな。このちょっと「あ」って思うくらいの小さな驚き。

人が「あ」の表情をみせるとき、心が動く瞬間に立ち会えた感じがして、至福の喜びを感じます。

いい意味で人を驚かせたい。これは花を生けるときも同じ感覚をもっています。人の心が動く瞬間にそこにいたい。

そんなことを考えなから、今日はなにを着ようかな。今日はなにを生けようかな。悩むけど、それはとても楽しい時間です。

おしゃれは自分を表現すること、アートです。おしゃれは、自分とだれかの心を動かすことです。

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