美しい文章を書く人

美しい文章を書く人がいます。

必ずしもその人が書いた文章が上手いとか、わかりやすい文章とかいうわけではないのではないのですが、書いた人の存在を感じるような文章です。

書いているその人の心の動きや、体温すら感じるような文章を読むとその人の姿が見えるような気がします。自分の中にある想いが表現いるのだけど、そこには相手の存在が感じられる。伝えたい人に、どうしても伝えたいという気持ちで書かれた手紙のようです。

そういえば最近手紙って本当に書かなくなりました。ほとんどメールやSNSでのメッセージで済ませるようになり、文章がどんどん短くなっています。

手紙は書きながらずっと、相手の人の顔や表情を想像していました。言葉を選び、読み返し、書き直し、時間をかけて書きました。

返事が届くのが待ち遠しい、そんな時間があったことも今では懐かしい出来事です。

自分が書きたいことを書きたいように書くのはただのひとりごとです。本来ブログは日記ですから、それでもいいのでしょうが、書いた後は引き出しに入れて誰にも見せない自分だけの日記帳ではないので、当然読む人に配慮が必要です。

手紙を書くような心を込める丁寧さと、読む人への思いやりが感じられる文章を、私は美しいと感じます。

書いた人がすぐそばにいるかのようにその人の体温を感じるような文章、そんな飾らないさらっとしたコットンシャツのような文章を書きたいものです。