その人の住んでいる部屋、それはその人の心の内面が映し出されています。
特に自分の部屋というのは、子どもの時から自分のやりたい放題、好き勝手だったはずです。
私が子どもの頃は、お菓子の空き箱の中に大事なものを入れて、時々その箱を開けては箱の中身を眺めて楽しむということからはじまりました。
箱の中に入っているものは、布の端切れやボタン、リボン、小石、小さなおもちゃ、飴の包み紙。私にとって大事な宝物たち。そういう大事なものを入れておくきれいな箱を宝箱です。
自分の部屋って、その宝箱が大きくなったようなもの。
宝箱を開けると、自分にとってとても大事なものが入っていて、それがそこにあることで安心できる。ひとつひとつの宝物には、物語があって、その物語のシンボルとしてそのもの(例えばキャンプで行った川でみつけた小石)なんです。
宝箱を開けて、その小石がそこにある。
その小石は、宝物で、他の似たような小石とはまったく違った意味があるのですね。
それを持っていることにどんな意味があるのかは、ことばで説明できないかもしれません。
なぜなら本人もその意味に気づいていないから。言葉で説明できない、だから意味がないなんて決して言えないと思うのです。
なぜならこころの深いところ、潜在意識あるいは無意識レベルの意味かもしれないからです。自分にとって大事だってことはわかる。そこにはきっとなにか意味があることはわかる。
でもどんな意味があるの?という問いには答えられない。言葉にならない。
私たちが日常的に体験していることって、そんなことばかりですよね。
言葉にならない気持ち、説明できないこと、直感やインスピレーションもそういうもののひとつです。
意味のわからないことに、意味があるんだというふうにみていく。
これが子どものときにもっていたあの感覚、遊びの感覚。喜びや楽しさ、そういう体験のもとになります。
見るとうれしい、もっていたい。その気持ちが本当に大切。
明白に説明できなくてもいい。
ただ意味があるんだってことだけがわかっていればいい。
それが自分にとってどれだけ意味があって大事なものだったのかってことに、本当に気づくのは残念だけどそれを失ったときなんです。
自分の部屋づくりについて、私が伝えたい一番大事なことを、絵本というかたちで表現してくれているのがこの本
「ときめきのへや」
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000208589
この本を何回も手にして、そしてひとりうなずくのでした。
私にとって大切なお気に入りの本です。