身近に悩みを解決するための相談に乗ってくれる人はいますか?別な言い方をすると、相談したいと思うような人は身近にいますか?
現在どんな人との付き合いを持っているかでこれからの人生が決まります。それはSNS上だけの知り合いの人数よりも、関係性の質が大事です。50歳からよりよく成長していくのに大事な人生の指南役=メンターを持つということを意図してみましょう。
1.人との付き合い
1-1 広さと質
人の成長はどんな人と付き合うかで決まってきます。
広い人脈を持つ人は広い世界で沢山の可能性を広げることが出来ます。
特に意識していないと人との付き合いはかなり偏ったものになりがちです。
同じような行動範囲で生活し同じような価値観をもった気の合う人だけの付き合いは、居心地はいいかもしれませんがそれだけでは刺激も好奇心も見ている世界も広がりません。
50歳にもなると自分の世界が固まってきてしまって、意識的に広げようとしないと知らない間に狭くなっていることに気づかないのです。
自分の世界にはいなかった人と出会うと、自分が小さな世界にいるんだということがわかります。
1-2 深い関わり
最近誰かに面と向かって叱られたり、意見されたりしたことがありますか?
50歳にもなると、自分に直接ものを言ってくれる人がいなくなっていることに気がつきます。意見をすることはあってもされることがない。これは鏡をずっと見ていないようなもので、自分の顔が汚れてきたことに気がつかない危険さがあります。
自分の顔は見えない。だからちゃんと言ってくれる人との付き合いが重要なのです。
他人とのお付き合いが表面的になり、深い関係性をもっている人が少ない。
立場や役割を通じて関係が出来た人達の中で、自分自身も腹を割って自分自身を表現することが少ない。
お互いの顔も名前もどこに住んでいるのかも知っているが、本当の意味でにどういう人なのかを知らない、知ろうとしない、自分を知ってもらいたいと思わない。
それは自分の聖域に誰も入り込めないようにお互いにそれぞれの城壁の内側から一歩出ずに相手に話しかけているようなことです。
1-3 叱ってくれる人
かつて今よりももっと若くて未熟だったときには、親や先生や自分よりも大人の人たちが叱ってくれました。
仕事でもどこへ行っても先輩と呼ばれる自分よりも経験値がある人が、時には厳しくそして時には随分後になるまで何を言われたのかわからないように意味深に、自分の経験や知恵を教えてくれました。
怒るのと叱るのは違います。怒るのはただの感情で、何かの出来事を体験して怒りを感じる。そしてその怒りをどの様に表に出すかに人の成熟度が表れます。
叱るのは怒りの感情を感じていたとしても、具体的に自分から表出して目の前の相手に伝わることが目的です。
怒るのも叱るのもとてもエネルギーを使います。
特にしっかり叱ろうと思うということは、その相手に対してあきらめていない、本気で向き合っていないといえません。叱ることによる相手の反応が怖いのです。そのことで気づまりを感じたり嫌われたりすることは嬉しくないのです。
ある意味相手に本気で向き合ってないと叱れません。しっかり叱ってくれる人は成熟した大人です。
そういう人との付き合いは大事にしたいものです。
2.メンターとは
メンターとは人生の指南役のような存在です。
迷ったとき、悩んだとき、あの人だったらどうするだろう?と考えてみるモデルになる存在です。
身近にそういう存在がいてくれると、とてもありがたい存在です。
2-1 遠いメンター
書店で何気なく雑誌のコーナーを見ていると50代の女性向けの雑誌が増えたのを感じます。
私もその年代なので手に取ってパラパラと見てみると、60代70代でも現役で活躍されている女流作家、女優などが自分たちの経験と共に、どのように年を重ねてきたのかというメッセージが書かれています。
決して平たんではなかった彼女たちの人生を想像すると、私なんかまだまだだなと感じます。
そして人生の先輩たちの存在と現在の生き生きとした姿には勇気づけられます。
これらの方々の存在もある意味メンターと言えるでしょうが、身近ではないのです。遠い空の星スターのような存在で、迷ったとき方向を見失った時にはいくべき方向に気づかせてくれる存在です。
2-2 少し居心地が悪い
特に人生の師=メンターと言われる人の前では、背筋を正すように少し緊張して居心地は決してよくないかもしれません。
しかし、そういう人が本当に必要になってくるのはこれから、50歳を超えた今だからこそです。
かつて私の父や母はそういう存在でした。親の存在のありがたさを、親を亡くした今になってより強く感じます。
あなたの周りを見渡してみて、もしも率直に一貫性をもってモノを言ってくれている人がいたらその人の存在に感謝し、その関係を大切にしましょう。
悩んだ時には相談をもちかけてみましょう。
ただ話を聴いてくれるかもしれませんし、その人の経験からしかるべきアドバイスをしてもらえるかもしれません。もしかしたらその時は答えてくれないかもしれません。ただ見守るだけかもしれません。
2-3 その道のプロ
様々な分野でメンターを持つのもいいです。
お勧めするのは、その分野のプロフェッショナルのメンターを探すことです。
メンターはカウンセラーとセラピストとコーチの3つの要素をもち、専門家としての沢山の経験値がある人が望ましいです。自らの経験からものを言ってくれる人が最も信頼できます。
私は健康面では東洋医学に精通した先生をメンターだと勝手に思っていますし、生き方のメンターやビジネスのメンターもいます。メンターには個人セッションやコンサルティングをお願いします。
家の建て替えや片づかない部屋の片づけや、親の介護をどうやっていくのか、お金の管理や保険や投資や相続やその他いろいろ対処しなければならないこと沢山あります。
自分だけでは解決できない悩みや、持ってないアイデアを見つけようとしていたずらに時間を過ごすなんて、50歳を超えた私たちには時間の使い方がもったいなさすぎます。
なぜならその分野の専門家をメンターにすることで、悩みに使っていた時間とエネルギーを誰かのメンターになることに使えるのです。
まとめ
もしも今身近に見つからないのなら、メンターを見つけたいと意図してください。
私たちの50年のすべての経験がキャリアです。あなたのその経験値が貴重で尊いのです。
その経験は他の誰とも違うもので、資産です。あなたの周りの誰かがそれを必要としているかもしれません。
あなたの悩みに向けていた視線を、周りの人に向けた時にあなたの世界が大きく広がります。
あなたがメンターを持つことで、あなたも誰かのメンターになることが出来ます。
自分の経験を生かして誰かの役に立てるって本当に幸せなことです。