花を一輪飾ることから始める、自分を大切にする暮らし

お部屋に花を飾っていますか?

こう聞かれると、ちょっとドキッとする方もいらっしゃるかもしれません。

「花を飾るような、ちゃんとした暮らしをしていないから」
「うちのお部屋は、花が似合うようなお部屋じゃないから」

そんな声を、これまで何度も聴いてきました。

でも、本当は逆なんです。

ちゃんとした暮らしだから花を飾るのではなくて、一輪の花を飾ることから、暮らしと自分が変わり始めるんです。

花一輪は、こころが動く体験のために

お客様がいらっしゃるとき、花を飾る方は多いですよね。

それは、大切な人へのおもてなしの花です。

でも、自分のために花を生けるのは、おもてなしとはちょっと違います。

美しいものを見て、こころが動く。

自分のために花を生けるのは、その体験のためなんです。

ふと目に入った一輪を、きれいだなと感じる。
その瞬間、自分のこころがちゃんと動いていることに気づきます。

毎日の暮らしの中でこころが動く体験をしていると、自然と感性が育っていきます。
美しいものを見つけられる自分に、そしてそのことを喜べる自分になっていく。

だから、花を生けるんです。

こころが動く体験を、自分の毎日に用意してあげること。
それが、自分を大切にする暮らしの始まりです。

立派な花瓶はいりません

花のある暮らしというと、立派な花瓶や、フラワーアレンジメントを想像するかもしれません。

そういうものは、いりません。

スーパーで買える300円の小さな花束で十分です。
なんなら、その中の1本だけでもいいんです。

花瓶がなければ、グラスやカップ、お気に入りの食器でもかまいません。

大事なのは立派さではなくて、生きている本物の花であること。

私は仕事で20年、いろいろな場所に花を生けてきましたが、写真には不思議と「気配」が写ります。本物の花には、造花にはない、いのちの気配があるんです。

その気配が、お部屋の空気をやわらかくしてくれます。

グラスに生けた芍薬の花

どこに飾る?おすすめは「毎日目が合う場所」

飾る場所に、決まりはありません。

おすすめは、1日のうちで何度も目が合う場所です。

たとえば
洗面所の鏡の横
キッチンの窓辺
仕事をする机の隅

朝、顔を洗うときに花と目が合う。
お湯を沸かしながら、ふと花を見る。

その一瞬、自分のこころがふっとゆるむ場所が、あなたのお部屋の特等席です。

花がしおれたら、どうするの?

「枯らしてしまいそうで…」という方へ。

大丈夫です。花は必ずしおれます。

しおれたら「きれいに咲いてくれてありがとう」と思って、手放してください。
そしてまた、新しい一輪を迎えればいいんです。

水を替えるとき、茎を少し切ってあげるとき、花に手をかける時間は、ほんの1分ほど。

その1分は、自分の暮らしに手をかける1分でもあります。

忙しい毎日の中で、その1分を自分のために使えたら、それだけで今日の自分に小さな丸をつけてあげられますよね。

お部屋は、自分のこころの器

私は、お部屋は自分のこころの器だと考えています。

だから、お部屋に花を飾ることは、自分のこころに花を飾ること。

何かを大きく変える必要はありません。
片付けが終わっていなくても、いいんです。

今日、帰り道に一輪だけ、花を買ってみませんか?

その一輪が、自分を大切にする暮らしの、いちばん小さくて、いちばん確かな始まりになるでしょう。

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