仕事で花を生けるようになって、約20年間、回数にすると多分1000回は超えています。
人からよく花の専門家ですか?と聞かれることがあるのですが、「いいえ インテリアコーディネーターです」と答えています。
インテリアコーディネートの一環として求められるままに、会社のエントランス、セレクトショップ、フレンチレストラン、クリニック、セミナールーム等に毎週花を生けるということを続けてきました。
毎週同じ場所に花を生けているインテリアコーディネーターは多分私しかいないんじゃないかと思います。
いつも植物と花が一緒でした
30年の間に、エクステリア庭や屋上などのデザイン、観葉植物のコーディネート、植木の生産、撮影のスタイリスト、モデルハウスのコーディネートなどいろんな仕事をしてきましたが、ずっと変わらずにコーディネートに必須アイテムは植物と花です。
それも生きている本物の花
アートフラワーでも元生きていた花でもありません。
私にとって花を生けることは、コーディネートの一環です。
またインテリアには花が必須アイテムだと思っています。
インテリア撮影の現場で
インテリア撮影をするときに、誰も映らない部屋は写真にすると無機質でどうしようもなくクールに見えます。クールさを緩和するには有機質なものを加えるのに限る。その時に花と水が役立ちます。
イミテーションの植物や花は、どんなによく出来ていても決して有機質ではありません。不思議なのですが写真ではそれが写ってしまうのです。
写真には気配が写ります。
インテリアの撮影は、日の光や時間など様々な理由でその場でカメラのアングルが決まります。コーディネートには臨機応変さが求められます。そのため花と花器を何種類か用意して、その場で手早くぱぱっと生けられないとなりません。
だからフラワーアレンジメントなどの完成された形のものでは対応できないのです。
それから、誤解を恐れずに書きますと、フラワーアレンジメントは目立ちすぎます。
そして有機的な線ではなくて、面、あるいは立体で、気配に大事な光と風を通しません。
生けた花が普段着に対して、フラワーアレンジメントおめかしのドレス
お祝い事や華やかさを演出するシーンにはうってつけですが、日常ひとこまを撮影するインテリア撮影には不向きです。
それと同じように、花を生けることが専門の方の花も、撮影には不向きです。
おそらく花を中心に見ているからでしょう。
インテリア空間の中の花です。
撮影のシーンの中の花です。
花だけではない背景を見ることが出来るので、インテリアコーディネーターの私が花を生けています。
バックグラウンド
私は元々は花の専門ではないけれど、植木の生産管理、造園の仕事がバックグラウンドにあります。
植物には詳しいのです。人の名前を覚えるよりも、植物の名前を覚える方が得意です。
季節を盛る、日本の伝統行事を設える学びを10年ほどしてきました。そのことで、なんとなくやってきたことの意味を知り、それを形にすることを心がけています。
すべての行事は祖霊や神様への祈りと感謝のかたち
部屋に花を生けることも、祖霊や神様への祈りと感謝のかたちに通じています。日常の暮らしの中に神様の存在を思い出すことでもあります。
美しい部屋に花はなくてはならない存在です。
それが、インテリアコーディネーターの私が花を生けるわけです。
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